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西武エステート──防音室造りに力を注ぐ (その2)

「まるで音痴で」と音楽が苦手だという代表取締役の稲冨充子さんだが、部屋探しに苦労している人のニーズに応えようと防音室を開発。巣立った人たちが音楽家として成功するのを楽しみにしている。(文=ゴマッジョ 写真=倉本兼治)

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■◆● 夜遅くまで頑張る人たち ●◆■

──現在管理されている防音のマンションはいくつあるんですか?

稲冨 最初の「ミューズコート所沢」の評判が良くて、2年後に深井さんの弟さんが同じ東町に「アークパレス」を造られました。そのあと日吉町に深井さんの「ミューズコートアネックス」ができました。
 それとは別に山崎さんがオーナーの「サンミューズ」も平成9年に西住吉にできました。山崎さんは音楽の先生で、お名前を冠した音楽賞を設けられているほど音楽の発展にご熱心な方でした。
 当社は、その4棟の管理をさせていただいています。
 
──4棟で部屋数はどれくらいですか?

稲冨 全部で62室です。最初の「ミューズコート所沢」が一番多くて28室。学生用のワンルームで、広さは24.6平方メートルです。
ここに入った方が、今度は兄弟姉妹やカップルの二人で入りたいという希望があって、じゃーということで「アークパレス」を造りました。広さは40平方メートルくらいです。「サンミューズ」も同じくらいです。
 「ミューズコートアネックス」は土地が狭くて、「ミューズコート所沢」とだいたい同じ広さです。

──入居されるのは、やはりピアノの方が多いですか?

稲冨 えー、ピアノが一番多いですね。
 ただ、同じピアノの方でもバラつきがありますね。熱心な方は、寝る間も惜しんで練習しています。だから、2部屋のほうを希望されます。寝室とピアノ室が分かれていると、ベッドが見えないから睡魔に誘惑されないで集中できる。それくらい練習されます。2部屋のほうが防音効果も高いんです。

──防音の効果はどれくらいなんですか?

稲冨 ピアノのふたを開けなければ、95デシベルぐらいの音になります。部屋によって効果は違いますが、55から60デシベルをカットできています。
 ですから、外に出る音は35から40デシベルですね。そうすると体感で、ふつうの生活の音になるわけです。40デシベル程度までなら気にならないですね。

──ピアノ以外の入居者もおられますよね。

稲冨 ギターやバイオリン、フルート、サックスの方などがおられますね。だけど、金管楽器は難しいですね。

──友人にドイツ歌曲の声楽家がいるんですが、楽器より声のほうが響くそうですね。転居するときに部屋探しに苦労されていました。

稲冨 声楽は個人差がとても大きいようです。ですから、騒音計でどれくらいの音を出しているか測らないといけないですね。それによって、遅い時間には控えるようにするとか。

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■◆● 苦手な音楽のために防音室を ●◆■

──私はけっこうライブやセッションに行くので、若いミュージシャンの友人が多いのですが、ドラムの人が練習場所に苦労しています。

稲冨 打楽器は無理ですね。高い音が出ますし、振動も大きいですから。
 以前、消音タイプのドラムの方がおられました。私もあまり経験のないときだったので、研究してみましょうと入ってもらったことがあります。
 その方は2階で、1階は音楽をされない方だったんですが、仲良くなられて、お二人で研究されたんです。床の振動はどうだろうかなどと、1年ほどいろいろと手を尽くされましたが、結局「やはり無理だ」と退出されました。

──物件はいつも満室に近いようですね。

稲冨 えー、お蔭様で。一度入られると長くおられる方が多いですね。学校を出ても残られる方が多くて、9年、10年とおられる方もいます。
 ただ、周りには、弊社のような本格的なものじゃなくて、防音室まがいのものがけっこう出回っているのが残念です。そういうところと価格競争をするのは辛いですね。

──稲冨社長は、音楽がお好きだったんですか?

稲冨 いえいえ疎遠でした。まったくの音痴なんですよ(笑い)。

──音痴は治るそうですよ。

稲冨 そうらしいですが、私のは特別で、カラオケの先生にも匙を投げられました(笑い)。平板な声しか出なくて、抑揚が付けられないんです。

──音楽の苦手な方が、防音室造りに力を注がれたんですね。

稲冨 最初にお話したように、音楽ができる部屋に困っている方が大勢おられるのを知って手がけるようになりました。調査を始めてから3年して平成7年に「ミューズコート所沢」ができました。ですから防音室とのかかわりは20年にもなります。その間には、たくさんの音楽関係の方々と出会いました。
 中でも思い出すのは、今ではとても有名なピアニストの高橋多佳子さんですね。国際的に活躍されていて、テレビにもよく出られます。10年ほども住んでいただいて、そのあとご自分の家を造られました。
 あるとき、高橋多佳子さんがミューズでコンサートをされて、ご招待いただいて聴きに行きました。音楽にはまるで疎い私ですが、その演奏にとても感動しました。「ピアノでこんな音が出るんだ」と。繊細で澄みきった、これまでに聴いたことのない音でしたね。心に染み入るような音色でした。

──住んでおられた方が成功されるのは嬉しいものですね。

稲冨 ほんとうに。毎晩遅くまで練習する頑張り屋さんたちを見てきましたから、みなさん、高橋多佳子さんのように成功していただきたいですね。

──これからも、音楽の街・所沢のためによろしくお願いします。
 本日はどうもありがとうございました。(2011.10.20取材)