所沢の音楽情報・タウン情報 ptoko(ピートコ).JP

Share |
  • ptokoについて
  • お問い合わせ

特集

西武エステート稲冨1.jpg

西武エステート──防音室造りに力を注ぐ (その1)

「西部エステート」は平成2年設立の不動産業。地域に密着した、管理の行き届いた仕事がモットー。そして特徴はなんと言っても、ホームページで「所沢防音専門サイト」と銘打っているほど、防音室に力を入れてきたこと。そのきっかけや苦労話などを、代表取締役の稲冨充子さんにうかがった。 (文=ゴマッジョ 写真=倉本兼治)

ミューズコート2.jpg

■◆● 所沢は音楽大学の中心地 ●◆■

──「24時間楽器演奏 住戸まるごと防音」と謳われていますが、いつ頃から防音室を扱ってこられたんですか?

稲冨 一番初めの東町の「ミューズコート所沢」(左の写真)が竣工したのが平成7年です。地主の深井さんとご相談して造らせていただきました。

──そのきっかけはなんだったんですか?

稲冨 私がこの寿町で不動産業を始めたのは平成2年の暮れなんですね。で、その翌年、お店に台湾の男性の方がみえて、娘さんが音楽の勉強をするのでピアノを置ける部屋がないだろうかと探されていたんです。

──所沢近辺でということで探しておられたんですか?

稲冨 えー、そうなんですよ。後で調べてみてわかったんですが、所沢が一番便利なんですね。その方は武蔵野音大だったんですけど、江古田キャンパスと入間キャンパスがありますね。
 そして、東京音大は池袋でしょう。国立音大は玉川上水にあります。

──所沢には日大芸術学部があって、川越にも東邦音大と尚美学園大のキャンパスがありますね。所沢はその中心点になりますね。

稲冨 ちょうど真ん中で、どこにも30~40分で行けます。
 そして、「ピアノ不可」「ペット不可」という部屋はいっぱいありますが、ピアノが弾ける部屋はどこにあって誰が管理しているのかと探したんです。それで、同業者に聞いてみると、入間市の仏子の不動産屋が、「こちらにピアノを置ける部屋がありますよ」とおっしゃるので、そこをご紹介しました。
 ふつう、ピアノを弾きたいお客さんは私たち不動産屋には来ないんですね。

──えっ、どうしてですか?

稲冨 それは物件がないからです。当時は、楽器屋さんがピアノを売って、お部屋も探してあげるということでしたが、調べてみるとみなさんが不自由してました。
 武蔵野音大はその当時千人も新入生がいて、他の音大も毎年数百人くらい入学するんです。学生もいるし先生もいる。それなのに部屋がない。これはニーズがあるだろう。防音室を造りたい。しかし、技術的にとても難しいことがわかりました。
 江古田あたりで聞いてみると、防音室とはいってもほとんど防音にはなっていない。音が漏れて、防音室と言うに値しない物件が多かったのです。本格的なものを造るにはどうしたらいいのだろうか、造れる人はいないのだろうか。

西武エステート稲冨2.jpg

■◆● 構造の神様と出会う ●◆■

稲冨 その頃、弊社が駐車場の管理をさせてもらっている深井さんも、大手が手を出さないような、隙間産業を考えておられたのです。それで防音室の件をお話して、「だいたい調べはついたんですが、誰に頼めばちゃんとした防音室ができるのか、探しているところです」とご相談しました。
 すると深井さんが、「造るほうは任せてください」とおっしゃるんです。
 「うちには、以前から素晴らしい建築士がついている。“構造の神様”と言われている方で、構造においては日本で3本の指に入るような方です。建築基準法が変わるときは、中心になられるような方です。民間のものは設計されないけど、うちの仕事だけはやってもらえる」と言われました。

──そんないい出会いがあったんですね。

稲冨 その建築士の豊泉先生をご紹介していただいて、防音室が始まりました。
 先生は、住まいの中の防音室というのを研究されました。まず部屋を造って、その中にもう一つ部屋を造る。そして中の部屋を吊るんです。二重の構造ですね。間を空けて空気層を造り、ゴムで振動を遮って音が伝わらないようにするわけです。

──画期的な方法ですね。

稲冨 豊泉先生の説明によると、防音室の場合はふつうの部屋と違うんです。
 角が直角ではなく、いくつもの面があるようにする。多角形の壁面のほうが音が乱反射して、きれいに響くそうです。
 遮音と吸音のバランスがうまくとれていないと、いい音は出ないわけです。遮音だけをしても音が反響し、また吸音がよすぎると今度は音がうまく響かないんです。
弊社の部屋に入られた方は、「これまでの防音室とはまるで違う」とおっしゃいます。「音の響きがとてもいい」と驚かれます。

──では、後半は物件の内容や今までのエピソードなどを含めて、お話をお聞きしたと思います。(2011.10.20取材)